詰め物や被せ物といった補綴物を使って噛む機能を回復させた歯は一生使えると思っていませんか?答えはそうではありません。実は補綴物は一生持つというわけではないからです。

 

ではなぜ補綴物は一生持つわけではないのでしょうか。

 

「ものはいつか壊れてしまう」という考え

 

皆さんは冷蔵庫、エアコン、テレビなどを購入する際「こんな高くて上等なら一生持つだろう」と思いますか?家電製品の場合、だいたい10年くらいを想定して購入するのではないかと思います。質の良いものなら20年くらい持つと思いますが、それでも一生持つだろうと考えて購入する人はどちらかと言えば少ないのではと思います。

 

ところで歯科治療はどうでしょうか。虫歯治療の最後に詰め物や被せ物を付けて噛む機能を回復させたら「治った」と思うかもしれません。

 

しかしそれは本当の意味での「治った」ではなく、「悪くなった歯の治療をひととおり終えた」というだけなのです。毎日の食事によって噛むという負担を与え続ける補綴物は一生持つわけではなく、お口の中の環境によっては再度作製が必要になる時期がやってきます。家電製品も毎日使ううえ、使う環境によって寿命は変わってきますよね。埃だらけの部屋や湿気が多い環境などで使い続けると、寿命が短くなって故障しがちになり、修理を繰りかえしたり買い替えが必要になってくるでしょう。

 

歯科治療も同じで、補綴物はいつか壊れることがあります。また機能しなくなることもあります。もしかすると一生持つかもしれませんが補綴物はあくまでも補綴物であり、必ずしも一生持つわけではないのです。

 

補綴物の寿命は?何で変わる?

 

一般的に、保険適用の銀歯の寿命は平均5~7年くらいと言われています。これはあくまで平均であり、口内環境によってはかなり長い年数にわたって長持ち売る人もあれば、平均よりも短い期間で再作製が必要になる人もいます。

 

では補綴物がすぐに再作製が必要になるのと長持ちするのでは、どういった違いがあるのでしょうか。

 

補綴物が外れたり再治療が必要になるケースでいちばん多いのが、虫歯の再発である「二次カリエス」です。これは特に保険適用の銀歯に多く見られ、再治療が必要となります。

 

二次カリエスになるのは、銀歯と歯との境目にできるわずかな段差です。ここにプラークが溜まると虫歯菌が寄り付いて酸を出し、歯を溶かして補綴物の下で虫歯を作り出してしまうのです。

 

ではなぜ歯と補綴物の境目に段差ができてしまうのでしょうか。それはお口の中の環境が原因です。わたしたちは毎日飲食を繰り返しますが、熱いものや冷たいものなどを毎日摂取することで、少しずつ金属が膨張と収縮していきます。そこからセメントが溶けだし、わずかなすき間が生じて虫歯が作られ、補綴物が外れてしまうのです。

 

また形成が悪いと詰め物が外れることがあります。虫歯になっていなければ再接着することは可能ですが、二次カリエスのリスクを考えると、接着性の良いセラミックのものにするほうが結果的に補綴物と歯の寿命を守ることができるでしょう。

 

噛み合わせの悪さや歯ぎしりなど、歯に負担がかかる場合も補綴物が外れる原因になります。

 

このように、お口の中の環境によって補綴物が外れやすくなってしまうのです。

 

 

虫歯になりやすい口内環境に注意

 

もうひとつ気を付けなければいけないのは、虫歯になりやすい口内環境かどうかです。

 

そもそも補綴物が必要になったということは、虫歯が主な原因です。虫歯菌がお口の中に多く存在すると、当然虫歯になりやすくなります。保険であってもセラミックであっても、いくら補綴物で補綴物で修復しても虫歯リスクが高い食生活を送っていると、虫歯の再発や他の歯が虫歯になってしまいます。

 

これは耐久性に優れたセラミックであっても同じです。セラミックは歯との接着性が良いので二次カリエスリスクは銀歯よりも低減しますが、絶対に虫歯にならないわけではありません。

 

まずは虫歯になってしまった原因を改善し、新たな虫歯が発生しないような口内環境に整えることが最初にすべきことでしょう。

 

補綴物を長持ちさせるために

 

補綴物には当然寿命があります。しかしお口の環境次第では平均よりも長持ちさせることができることもあります。補綴物そして他の歯の健康を守るために大切なことは、なんといっても日常の歯磨きと食生活の改善です。

 

食生活の改善とは、まず虫歯菌が大好物な砂糖の摂取を控え、毎食後の歯磨きをしっかりと行う。そして歯科医院で定期的に検診を受けることも、とても大切です。定期的にチェックを受けることで、虫歯の有無や他のお口の中のトラブルを早期に発見し、お口の健康維持に大きく役立つため、年に数回は必ず定期検診も受診するようにしましょう。

 

 

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はぴねす歯科院長

コラム監修者

はぴねす歯科緑地公園駅前クリニック 院長 松浦 裕矢

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